<2007年度 2月号>

「未来型学力」と学習発表会

                                                   日本コース校長  番 場  修

 

先週の日曜日、買い物に行く途中、街路樹の中にあるハカランダの木に花が咲いているのを見つけ、もう春が着実に来ていると実感しました。日頃より保護者の皆様には、本校の教育活動にご理解、ご協力を頂き、ありがとうございます。皆様のご支援により教育活動もまとめの時期にきました。

 さて、ある新聞の社説に『「アポロ13号」に教育を学ぶ』という記事があり、興味津津で読みました。それは、実話を基にした映画のある場面について書かれていました。人類が初の月面着陸を達成した翌年の70年、月に向かったアポロ13号は深刻な船体トラブルに直面した。特に3人の宇宙飛行士が吐き出す二酸化炭素をどう換気するかでありました。この状況は、マニュアルには想定されていない事態で、宇宙船と同じ訓練用の船から使えそうなものをかき集めて、刻々と限界が迫る状況の中で地上スタッフが、試行錯誤しながら換気装置を手作業で作り、飛行士にその方法を伝えて無事に生還した映画で、この記事を読んで改めてその緊迫したシーンを思い出しました。この社説の筆者はさらに、今後の教育について述べています。それは、世界の多くの国が受験している国際学習到達度調査ことで、「未来型学力」のテストと呼ばれ、「知識・理解」を問うものではなく、「思考力・判断力・創造力」を測るもので、いま何を知っているかではなく、将来何ができるかを測るテストであります。

 記事の中では、学力世界一と言われるフィンランドの教育の神髄を述べています。それは、

●第1に「正解を先回りして教えない」ことであります。例えば、理科の授業では、まず実験を行う。様々な現象を児童たちに見させて、各自が仮説をたて、自分とは違う意見にも耳を傾け、もう一度考えさせます。教師が理論を説明するのは、最後でまとめとして話します。正解を最初に教えてしまうと、その時点で思考力は完全に止まってしまうからです。

●第2に「他人と競わせないこと」と述べています。競争させると、順位に関心が向いて、考えることへの興味がそがれることになります。順位だけが興味の的になり、内発的な動機付けにならないことであります。テストや試験は、自分がどこでつまずいているかを確認することでそのつまずきを補うことであります。この2つの考え方の実践が実を結んでいると述べています。

 生涯学習の視点に立った新学力観の考え方が、提唱されてから約20年が過ぎようとしています。その間、日本の各学校では、指導法や指導形態等の工夫・改善が行われました。学習指導においては、ただ「知識・理解」を中心に教えるのでなく、「関心・意欲・態度」を高め、「思考力、判断力、創造力」を養う授業が展開されるようになり、授業時数の削減の状況の中で「未来型学力」の向上をめざして教育効果を上げるように努めてきています。

 日々の授業の中でも日本コースの教員は、この「未来型学力」を念頭にして教育実践に取り組んでいます。教師主導型から児童・生徒主体の学習へと変わり、授業の中で児童・生徒一人一人の発言を取り上げ、それを聞いた他の児童・生徒たちはもう一度自分の考えを見直す時間を設定して授業を進めています。

 

学校行事より

全校朝会《1.9》

 2008(平成20)年がスタートしました。“平成”も成人式を迎えたことになります。日本コースは冬休み明け授業開始日に編入生1名を加え、小学部107名、中学部37名でスタートしました。

 リセオも誕生30年を過ぎ、様々な教育改革を行い「国際性豊かな人材の育成」に向けて日々前進しています。日本コースも日本人学校として日本国内に劣らない教育水準の維持・発展を、国際学校として海外にお住まいの日本人子弟への日本の教育保障・充実を目指し、一層の努力を進めてまいります。今年もご理解・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

小6交流《1.15》

今回の交流授業は『書初め』体験を行いました。予め、日本コースの子どもたちが考えておいた新年・お正月にふさわしい文字をメキシココースの子どもたちに書いてもらいました。指導は日本コースの子どもたち。指導方法は各個人に任せたので、それぞれが工夫し、懸命に教えていました。その甲斐あって、思った以上にメキシココースの子どもたちは上手に文字を書き上げました。また、12月にこちらから渡した「クリスマスカード」のお礼にと、今回、メキシココースの友だちからねずみの絵が描かれた「年賀状」をいただき、両コースの子どもたちにとっても我々教師にとっても満足のいくよい交流授業ができたと思います。

 校内スペイン語検定《1.14》

 1年間のスペイン語授業の成果を確認する機会として全校一斉にスペイン語検定を行いました。これは語学学習の充実、指導力の向上を目指して学校独自に自作問題を作成して、昨年から実施しているものです。子ども達(小3以上)は、個々のレベルにあわせて受検級(金・銀・銅)を選択し、3050分間真剣に問題に取り組みました。結果が出次第、個人の点数をお知らせします。

 全校一斉ゴミ拾い《1.22》

 全校一斉に生活委員会主催の「校内ゴミひろい大会」を行いました。縦割り班に分かれ、カンチャやプラサ、なかよし広場などのゴミを拾って回りました。お菓子の袋やペットボトル、プリント類など様々なゴミがありました。まとめてみると、学校にある大きなゴミ箱に入りきらないほどのゴミが集まりました。子ども達は自分達(メキシココースも含めて)が出しているゴミの多さにびっくりしていました。これを機会に校内生活の在り方についても考えていきたいと思います。

 小1交流《1.23》

 小学部1年生は、メキシココース1年生との交流授業を行いました。今回は、『紙コップロケット』を作りました。計画では、出来上がったロケットで、飛ばし合いをする予定でしたが、思っていた以上に時間がかかり、予定の時間になって慌ただしく仕上げをするといった具合になってしまいました。結局学校では飛ばすことができませんでした。ロケットは家に持ち帰り、友達と飛ばして遊んだと日記に書いている子もいました。

学習参観《1.24》

 今年度最後の学習参観を行いました。1時間目から4時間目まで午前中いっぱい、国語や算数といった教科、道徳、総合、スペイン語授業などの様々な学習を通して、子ども達の1年間の成長の姿をたくさんの保護者の方に参観していただきました。また、学級懇談会にも多くの保護者の方に参加していただき、1年間を振り返ってそのまとめと反省、来年度に向けた抱負など、或いは進路についての話をさせていただきました。学校として成果と課題をきっちりと整理し、来年度の教育活動に生かしていきます。お忙し中を参観していただきありがとうございました。

 日英西学習発表会《1.24》

 中学部1、2年生は、昨年より選択Dの授業において日本語、英語、スペイン語の3つの言語グループに分かれて、この日英西学習発表会に向けて学習を進めてきました。アウデトリオでたくさんの人を前に弁論をするということで、生徒は大きな緊張感を持ち発表していました。始まる直前まで文章の確認をする生徒や友達と発音を確認し合う生徒もいました。発表が終わるとどの生徒も安堵の表情を見せていました。今年の発表会は、あえて苦手な言語に挑戦する生徒が例年以上に多く、子ども達の意欲を感じることができました。生徒にとってこの発表会が貴重な体験となり、今後の活動に自信をつけることができました。