<2007年度 12月号>
海外における母語の大切さ
日本コース校長 番 場 修
朝夕、冷え込みがあり、冬の到来を感じられる頃となりました。BSテレビニュースでは、日本でも雪の便りが聞かれて、唱歌「もみじ」の世界を思わせる紅葉の景色が見られました。日頃より日本コースの教育にご支援を賜り、心より感謝しています。
さて、今年の運動会では多くの保護者の皆様にお出で頂き、児童・生徒の徒競走、集団競技、集団演技、「組体操」「よさこい鳴子踊り」などに熱心な声援をして頂き、大きな励みと自信となりました。特に中学部の「組体操」は、10数年ぶりに行われたと聞きました。日本でも最近、組体操を実施している学校は減少して、組体操を見る機会がないです。「よさこい鳴子踊り」では、博報児童教育振興会よりの副賞金を活用して3色のハッピを購入しました。児童・生徒たちがハッピを身につけて鳴る子を鳴らしながらよさこいを踊り、多くの観客から拍手を受けました。日本文化紹介に相応しい演技ができたのではと思います。
学校便り第5号でご案内したとおり「母語」については、今回は、日本から来られた保護者の皆さんを念頭において書いています。母語が最も急激に発達する時期は、2歳から4歳ごろと言われています。母語で学習できる力を養うには、小学校3年生から4年生の頃までかかると考えられます。海外に出ると、お子さんが日本語に接する機会は、両親が想像される以上に少なくなります。日本語使用の場面では、家庭と学校でそれ以外は、現地の言語、スペイン語が使用されている場合が多いと考えられます。日本では、24時間、日本語が耳に入ってきますし、また周囲では日本語が飛び交っています。母語である日本語に接する機会が減ったり、日本語より外国語に接する時間が長くなったりすると、日本語の発達が止まり、さらにそれまでに培った日本語も失われていく危険性があります。次のような状況になった時は、充分注意してください。
@日本語にスペイン語がまざる。
A日本語の間違いを耳にする。
B兄弟げんかがスペイン語になる。
C日本語の会話をいやがるようになる。
日本国内にいれば、日本語に常にふれて、日本語を使い、日本語を主軸に思考力や表現力などを養うことが自然にできる環境であります。しかし、海外ではそのようにはいきませんので、日本語にふれる環境を作って上げる機会が必要であります。また、日本語を他の言語から守ることも必要であります。家庭で日本語を使用することが必要であります。次の行為をすることです。
@日本語の本の読み聞かせをする。
A日本語で丁寧に語りかけ、子どもの話をじっくり聞き、間違いは根気よく直してあげる。
B家庭では、日本語で会話をするというルールにする。
C日本にいる親戚や友達と電話や手紙、Eメールのやりとりをする。
D一時帰国を大いに活用する。
E日本での体験入学を大切にする。
母語は、単に会話の手段として使用しているのでなく、学習する時に必要な理解力、思考力、判断力、創造力を身につけるための基礎となります。母語がしっかり身に付いていれば、学習言語も身に付いてきます。学習言語とは、教科書やテストの設問に使われる用語であり、授業の中で担任の先生が使っている語いや表現と考えてください。これらは、日常生活の中で使う場面がありませんので、教育現場だけでとても限られています。海外で日本語による学習をしないで帰国した場合や母語以外の言語の教育施設に入った場合には、授業に参加できない、テストの問題が解けないなどの問題が生じてきます。学習言語が身に付いていないと帰国後に次のようなことが懸念されます。
@授業についていかれなくなる。
A不登校になる。
日本コースでは児童・生徒ひとり一人に日本語力を向上させるため、幾つかの取り組みを行っています。全校読書、読書の奨励(1年生教室の近くにある読書の木)、保護者のボランティア「読み聞かせ」、漢字練習、漢字検定(目的をもって漢字練習に励む)、作文活動)サボテン、学級作文集)、体験作文、日記などの活動を年間取り組み、日本語力アップに努力していますので、ご家庭でもご協力をお願い致します。
学校行事より
中学部・社会見学(パスカル社)《10.29》
中学部は「ボーイング」などの銘柄の清涼飲料水を製造しているパスカル社の工場見学を行いました。総合的な学習の時間を使って、調査や会社との交渉等も生徒の手を中心に進め、事前学習の時間も設けて実施しました。
DF内にこんなに大きな工場があるのかと目を疑うばかりでした。我々見学者にも帽子とマスクをを身につけさせるほどの徹底した衛生管理の下、紙パックや瓶詰めのジュース類が製造されている様子を見て、安心を届けようとする企業の姿を実体験として学ぶことができました。
小1交流《10.30》
メキシココース1年生(緑組)のお友達と交流授業を行いました。2人1組になって『似顔絵』を描きました。幼稚園時代からの友達ということで、最初から会話がはずみ、楽しい雰囲気で交流できました。似顔絵は一生懸命描け、最後は描いた絵を交換し合い、持ち帰えりました。どの子も描いてもらった絵に満足顔で大事そうに持って帰りました。
【子どもの感想から】
○カミラさんにかいてもらって、うれしかったです。
○にがおえをかいて、じょうずにかけたなぁとおもいました。わたしのかおもじょうずにかいてくれたからうれしかったです。
○パトリシアくんにえをもらってみて、すごいなぁとおもいました。
死者の日交流《10.31》
10月31日『死者の日パーティー』が行われました。この日は、日本コースも自由服で登校OK!人気キャラクターの仮装や死者の日にちなんだ衣装を着て、子どもたちは登校してきました。
1時間目の授業後、アウデトリオに移動しメキシココースの発表を見ました。幼稚部の歌と小学部の詩の朗読、高等部のダンスを見ました。祭壇(オフレンダ)の説明もあり、メキシコ文化を知るよい機会になったと思います。
日本コースでもスペイン語教室に祭壇が作られ、間近に「死者の日」を感じることができました。小学部では先生方も仮装のまま授業を行うなど、まさに「死者の日」一色の一日となりました。

小2交流《11.05》
この日はメキシココースの2年生との2回目の交流でした。今回のテーマは「名前を覚えよう」でした。はじめに、「名前ゲーム」をしました。1人ずつ自分の名前を言っていくのですが、言う前にそれまでの人の名前を言っていかなければなりません。なかなか、難しいようで、必死で覚えていました。その後、フルーツバスケットをしました。オニになった人の名前をみんなで呼びました。ゲーム感覚で名前を覚えたので、みんなよく名前を覚えていました。
中学部・メキシココース高等部見学《11.14》
進路指導の充実を図るために、今年度初めてメキシココース高校部の見学を実施しました。高校部の校長先生は、この日のためにスライドまで準備してご説明下さり、丁寧に授業や施設の見学をさせてくださいました。見学後の質問の時間では、参加した中学2年生全員と今後進学予定の中学3年生4名が積極的に質問をしていました。少数精鋭、学力水準の高さ、個別指導の充実など期待のふくらむ内容でした。また、入学前に必ず、スペイン語、英語、数学のテストを行うとのこと。特に、引き締まった3年生の表情が印象的でした。

ようこそ先輩授業《11.20》
今年のようこそ先輩は、30周年の節目にあたり、小学3年生以上の100名を越える参加者のもと実施しました。今回の講師は女子プロレスラー(ルチャドール)の下田美馬さんと男性プロレスラーの大原はじめさんです。夢をあきらめてはいけないこと、努力は裏切らないこと等を、具体的な説明のもとわかりやすく伝えていただきました。質疑応答では、腕相撲や腕立ての実演など、児童生徒が参加できる工夫もしていただき、充実した中に楽しい雰囲気を味わえました。今後の進路選択に役立つすばらしい内容だったと思います。
運 動 会 特 集
【小1】 よさこいおどりをおどったとき、たくさんの人が見ていたので、すごくきんちょうしました。おとうさんとおかあさんも見ていました。おかあさんは手をふってくれました。おとうさんはカメラでうつしてくれました。すごくうれしかったです。いえにかえって、おかあさんが『じょうずだったよ。』といってくれました。わたしは『やったー』といいました。
【小2】 11月11日にうんどう会がありました。ぼくは、玉入れが思い出になりました。玉入れは、とてもむずかしくて、れんしゅうのときは、なかなか入りませんでした。でも、本番では何こか入りました。入ったときはうれしくて楽しかったです。数を数えると、ぼくたちの紅組のかちでした。とてもうれしかったです。 家に帰ってから、お母さんが、「がんばったね。」と、言ってくれました。ぼくは、来年もがんばろうと思いました。

【小3】 11月11日にうん動会がありました。一番うれしかったのがときょう走です。なぜかというと、一番になったからです。私は、ゴールする前に手を上に上げました。お母さんもビデオをとってくれました。みんなのときょう走が終わってテントの下へ行くとお母さんは、私を「すごいねー。一番。おめでとう。」と、ほめてくれました。その一言でとってもうれしくなりました。一番になってうれしいのとお母さんにほめられてうれしかったです。

【小4】 私はつなの横にドキドキしながら立った。笛の合図と同時につなを持った。今にも心ぞうが口からちび出しそうだ。ピストルの合図と同時につなを引っぱりだした。引っぱって引っぱってで手がいたい。白組のみんなでのどがいたくなるくらいさけんだ。顔の表じょうもこわい。 「どっちが勝つかな。」「白が勝った。」「やったあ。」みんなで喜んだ。みんなの手は固まっていた。
【小5】 プログラム4番目になった。私は白組だ。「バン。」とピストルが鳴った。白・赤組はいっせいに走り出した。私は全力で綱をひっぱった。最初は赤組に綱を引っぱられていたが、後から男子が来たら、綱を引っぱる力が強くなった。1回目も2回目も白組が勝った。「やったー。」白組みんなで喜んだ。それから白組はどんどん勝って、赤組との差がすごくなった。うれしくて楽しい運動会だった。

【小6】 前の走者がバトンを持って走りながら近づいてきた時、もうすぐだと思い、ドキドキしました。いざ、順番になって走ってみると、そんなに緊張せずに走れました。走りながら、「オレンジ速い!!」という放送が流れた時は嬉しかったです。走り終わると、達成感がありました。
【中1】ムカデ競走は、練習の分だけ速くなる。それは回を進めるたび、どのチームも速くなっていたことに裏付けされている。戦いは、練習の時から始まっていた。練習する転んでも起き上がる。そのたびに技術は向上する。期間が短かったから死に物狂いでやった。僕達は確実に上手くなっていった。そして迎えた本番。あっという間だった。本番中にふと、このメンバーなら何でもできるような気がした。それは本当だと思う。
【中2】 今年の運動会は僕のいる白組が優勝しました。最高でした。かなりの点差で勝てて嬉しかったです。その最高だった運動会で、僕が一番頭の中に残っている思い出は、やっぱり中1〜中3まで一人一人協力してできた「ムカデ競走」です。こ競技は本当にチームワークが大切で、一人が合わないとみんなが道連れになるという恐ろしい競技です。しかし、そんな競技を日本コースは失敗もせずにできました。やっぱり日本コース中学部は、ムカデ競走で使う縄の他に「絆」という縄で結ばれていることを実感させられた運動会でした。よさこい、組体操、ダンス、リレーと内容盛りだくさんの運動会で、とても有意義な一日でした。
【中3】 今年は私たちの最後の運動会でした。私が一番頑張ったと思うのは組体操です。これは中学部の全員が心を合わせてやらないとできないものだったので一番頑張ったと思います。ピラミッドとタワーは特に危ないところもあったので、みんな一生懸命やったと思います。ピラミッドは降りる時に少し崩れそうになりましたが、練習の時よりはずっと上手にできたと思います。タワーは大成功だったと思います。「さすが中学部!みんな心を一つにできたなっ!」と思いました。メキシココースとも交流ができ、今年で最後だったこの運動会は、とても楽しく良い運動会でした。
